サッカーウィーク

先週・今週とサッカーウィーク。アテネへ、W杯へ、NIPPONの最高峰が招集され、国民の期待にこたえられるか楽しみな週。彼らのアスリートとしてのプライドがピッチを駆ける。「may　be」とでも言いながら。

得点力のアップ、決定力の精度。これは古のころからいわれ続けるNIPPONの命題。この命題に立ち向かいながら、常に跳ね返されている。私が感じること、野球でも同じなのだが，
極限の場面、一瞬の判断、その時の選手が持つ独創的なプレーバリエーションに差がある。世界のトップクラスの選手は、人間の想像がイメージできないプレーを連発する。多種多彩なバリエーション。また最後の一瞬までの沈着冷静な行動。意思を持ってするのか、無意識なのか。

トッププレイヤーの行動は、無意識の中で行なわれる意識のある行動だ。言い換えると、プレーに意識が追いつかない、超正確な判断なのだが、それを知覚し脳に伝達し、意識のなかで判断する前にプレーが終えられている、つまり意識が後追いする、これこそがビックプレーなのだ。

ビックプレーを連発するには、プレー中に何十ものシュミレーションが呼吸するがごとく無意識に行なわれ続ける。そして最後の選択の場面で潜在意識の中にあったプレーの扉が一気に開かれビックプレーが飛び出す。

「人はこのプレーに酔いしれる」

人を酔いしらせてこそ

「プロ中のプロ」

練習の中から、極限状態での人間の心理の匂いをかぎ分ける訓練がされていなければ、人の思いも寄らぬプレーは産まれない。これは、試合で型にはめないプレースタイルと緻密な計算を繰り返しながら戦局をみつめる行動の融合から産まれ、その経験量から増産される。

戦国の世で言えば

「気配を察知し、血のにおいをかぎわけ、風の流れを読みきる」

とでも言おうか。

乱世を勝ち抜き、NIPPONの代表として輝くには、極限の場面でビックプレーを連発させることが決め手となる。今週は、アスリートとして、指揮官として、楽しみであり、よいケーススタディの週だ。